con la chiave:コンクラーベと根比べ

| | コメント(0) | トラックバック(0)

ついつい根比べを連想してしまって、迂闊にも照れたりするのが「コンクラーベ」ですね。正しくは、新たに法王を互選するために密室で行われる会議のことで、根比べとは似て非なるのですが、類遠からじなのがこれまたやっかいなところ。

欧州の言葉のたいていがその語源にラテン語をとるように、コンクラーベもまた例によって例のごとしで、鍵で密室にするという意味のラテン語から来ているとされているのでした。この辺はご存じの方もちらほらいるとおもわれますが、ついでに言えばこのコンクラーベ。今や法王を選出する会議を意味する固有名詞として定着していて、密室にするという意味では使われていないというのがこの説話のややこしいところ。まあ、このへんは適当に流して、なんだかラテン語が起源らしいよというご理解で勘弁してもらってよいみたいです。んで、気になるのが日本語の根比べとの関わりですが、この会議がコンクラーベと呼ばれるようになったのが1268年。日本はまだまだ鎌倉時代。なんとも気が遠くなる話でして、そんあこんなで人様にお伝えする時にはその辺の感じが伝われば大丈夫らしいっていう、ちょっといい加減なところが雑学の緩くておおらかなところで、おい熊さん、熊さん。さっき、どん突きの反物やの番頭さんから聞いたんだけど、なんでも遠く西の彼方の草履によく似た形の国の話だっていうんだけどさ、その国のお偉いさんを決める方法を聞いたんだけど、これがすごいんだからしょうがない。全くなんていうか、驚いちゃうねぇ。ちょっと、大岡の越前さんもむせちゃって、散った桜を集めてたっていうくらいの驚きだ。
八っちゃんはいつも大げさに言うから、ホントかなぁ。桜を背負っているのは遠山の金さんじゃないのかい。
おい、おい。聞き捨てならないねぇ。俺っちはいつだってホントのことしか話してないって言うのに、心外だねぇ。遠山の金さんの桜を散らしたのが大岡の越前だって言う話だよ。
まあまあ、そんなに怒るこたぁないだろや。それで、なにがどう驚きっていうんだい。その話をしようじゃないか。ねぇ、八っちゃん。
そうそう、熊さんと話していると、ついつい話がわきに逸れていけねぇや。それで、その国では候補者自身にお偉いさんを決めさせるっていうんだから驚いちゃうねぇ。ここらでいえば、反物やの番頭さんと米問屋の若旦那、油商いに舟問屋、酒屋さんに越後屋さんが一同に会し、団子屋の看板娘を誰が見受けるか相談するっていうもんだから、大変だぁ。
団子屋って言えば、あの器量が良くて働き者で、何より蔵持の一人娘のさきちゃんだね。俺ももう少し若けりゃ考えたんだけんどもなぁ。それに引き替え、どんな話だいそりゃ。反物屋と米問屋は博打狂いで身代を潰つし、油商いは去年の火事が未だに消えない火の車。舟問屋も酒屋も越後屋さんもまあ、似たり寄ったりで始末に負えない。誰も一歩も引かないから決まるもんも決まらないってもんだ。
おう、今日の熊さんは話が早いねぇ。良いねぇ、良いねぇ。それで決まらないっていうんだから、どうしたかっていうと全員を集めて団子屋の蔵の中に閉じこめて外から錠前を落としたっていうんだから驚きだ。どういうことかっていうと、とにかく団子屋の看板娘を嫁に迎えたいっていうのは良しとしても、全員の嫁になるわけにはいけねぇ。
そりゃそうだ。
だから誰か一人に決めてくれっていうことになるな。
でも、それと蔵とどんな関係があるんだい。
ほら、熊さんの悪い癖だ。話を急いじゃいけないよ。とにかく嫁に欲しいっていう輩同士で相談させて、とにかく誰か一人に決めてもらおうってことになったわけだ。そんなこんなで反物屋を始め、その面々がぞろぞろぉ、ぞろぞろぉと団子屋の蔵の中に入っていくわけだ。首が回らないヒノクルマーズが蔵の中にトジコメラレーゼってな。そして、団子屋の旦那は錠前を落としてから、じゃあ、相手が誰か決まったら白い旗を縁側の下から突き出して振ってくれと大声で怒鳴るわけだ。実は団子屋の旦那。江戸一番に通る声の持ち主なんだが、その旦那が大声で怒鳴ってようやく届く位に蔵の扉は厚いわけだぁ。そんじょそこらの大声じゃ届かねぇし、もちろん、陽の光も入ってこねぇから蔵の中は昼でも真っ暗だ。とにかく、白い旗を突き出せば扉を開けてやるって旦那は約束したわけだ。
それで、どうなったんだい。八っちゃんや。気になるなぁ。早く教えろよ。誰が団子屋の看板娘を嫁にしたんだい。
いや、それが白い旗は結局出てこなかったんだよ。
どうしてだい?決まらなかったのかい?
いやぁ、蔵の中はホントに真っ暗だったみたいでさぁ、その蔵の中で見える旗の色はってぇと、全てが黒色だった、とか。

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: con la chiave:コンクラーベと根比べ

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://something.under.jp/picnic/mt-tb.cgi/5

コメントする

このブログ記事について

このページは、k-wataが2008年3月11日 00:50に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「「ダイバシティ」ってなんだよ。最初から「多様性」って言えよ!」です。

次のブログ記事は「写真展とか」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。