006 キチクロZ ポーダブル化

グーグル先生に尋ねたところ、2chのHPA板で「くそ耳騙すのにちょうど良い感じだった」という評価。「劣化国家(二ーアル・ファーガソン)」を思い出す。「空飛ぶ自動車が欲しかったのに手に入ったのは140字だった」とピーター・シールが嘆いたのだった。結局、技術の進歩には戦争が必要ということなのか。で、キチクロZを組んでみる。

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ちなみに、DACからきちんと分離したバランスとアンバランスの違いなんて、確かにほとんどない。注意深く確かめなければ気付かないほどのわずかな差、という感じ。試したいひとだけ試せばよろしい。
それとキチクロZについての重要なお知らせ。御用とお急ぎでない方は金属ケースに入れることをそれなりにおすすめ。プラスチックケースとの違いなんてほとんどないけど、それでもシールド効果を期待できそう。髪の毛一本ほどの違いですけどね。

それでキチクロZですよ。今回はヘッドホンアンプを小さくまとめるがコンセプトみたいなので、リチウムイオン電池で薄く仕上げました。

目標はプレーヤーより小さく。
大事なことなのでもう一度、プレーヤーより小さく。

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それに伴い電源部を両電源仕様に変更。キットオリジナルのレギュレータを使う方法も気になるのだが、リチウムイオン電池を2つ直列に使う環境での充放電管理に自信がなかったので両電源化。昇圧も検討したが挫折。スペースが足りない。キット添付の部品を余らせてしまうことで生まれるこの感覚ってなんだろ。罪悪感? ズルしている感じ? いやそれは敗北感です。
負電圧側のみの安定化やGNDに落ちないパスコンとか気になる。
それはさておき過放電制御はオペアンプで簡単に。

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電池が6.8Vを切るとD1のLEDが消え、6.4VでD2が消えて電源の供給を停止。設定電圧になるとLEDが点滅し始める。電源管理側はヒシテリス回路を入れてもいいかも。実装は秋月電子のSMD用の基板(0.3mm厚)上に。
プレーヤーはiPod touch。ヘッドホンはapple標準のやつ。
私個人的には、屋外で聞く分にはこのヘッドホンで必要にして十分な感じ。リモコンも付いているし。ポーダブルで使う場合は利便性は重要。音が良くてもめんどくさいと使わなくなる。リモコンを使うためにヘッドフォンのコネクタは一般的な4極タイプではなくLightingコネクタを使用。8極のうち、LH/LC/RH/RC/S/Gの6極を使用。あと、リチウムイオン電池の充電用コネクタとしてminiUSBコネクタを使用。なお、リモコン用信号線はシールド線を使うべき。単線も試したが、不安定だったので念のため。誰も真似しないとは思うが、あはは。
スペースがないので、電源線と信号線が平行してしまいがち。入力信号は電源からできるだけ距離を取り、出力はしっかりツイストするといくらかましになる。
ケースは2枚のアルミ板でサンドイッチしただけ。底側はアルミ板(0.5mm)、表側はアルミのメッシュ板(0.5mm)。シールド目的ならこれで十分。入ったゴミは随時清掃。

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高さはスペーサーで確保。キチクロZの基板側は5mmのスペーサーを、電源側は6mmのスペーサー+平ワッシャ。それで表側、底側からねじ止めする。ねじ長さは3mm程度。このサイズは入手性が悪いので既存品を糸鋸でカットした。ねじはトラスタイプなど頭の低いやつを使うとよい。私は東急ハンズで低頭ねじを見つけた。ねじ頭が0.5mmくらい。
で、仕上がりサイズは53×100×7.5mm(突起部を含まず)。
キチクロZ ポータブル化。
iPod-touchの背中に背負わせてちょうど良いサイズ。なお、写真に映っているのが旧iPod-touch、この写真を撮っているのが現行のiPod-touch。

作ることが楽しくてここまでできたが、屋外に持ち出すかは正直疑問(笑)。まあ、しばらくは持ち歩いてみよう。せっかくだし。
あと、2chではソニーのPHA-3がオススメとかあっったが、あれに至ってはやり過ぎじゃなかろうか。プレーヤーの何倍でかいんだよ。んで、デジタル接続で5時間って、東京大阪往復できないね。電池切れたらどうすんだ。プレーヤー直結なんてくそだから聞かねーってなるのかな。でも、聞くんだよな。むしろプレーヤー一体形を出せばいいのに、と思う。8時過ぎには店を閉めちゃうこだわりそば屋さんみたいに。
いくつかの疑問。HPには「ES9018」とあるけど電子ボリュームじゃないのはどうしてかしら? アナログ接続のためか。フルデジタルに特化すればいいのに。あるいはプレーヤー一体形に(しつこい)。


iPod touchとの組み合わせ。


ポイント


  • 薄く仕上げるため、基板裏面にリード線が飛び出ないように注意してフラットに仕上げる。

  • LME49600よりもOS-CONの方が背が高いので、アルミ板に穴を開けてOS-CONを飛び出させた。古いアメ車でよく見た、ボンネットから飛び出たエンジンヘッドカバーみたい。コンデンサケースとGNDの短絡には注意。

  • 使用したリチウムイオン電池は3.7V300mAタイプ。9Vタイプの容量が250mAだからこれで十分とした。

  • 満充電からD1が消えるまでが約6時間。その後15分程度でD2が消える。予告通知のつもりならD1の設定を前倒しすべき。

  • BW端子は未接続。現状の消費電粒は実測で53mA。

  • appleのイヤホンは4線+信号線。ケーブルをカットすると、緑/緑銅/赤/赤銅/緑赤の5本のリッツ線。緑赤のリッツ線は内部に銅のリッツ線が隠されている。今回のケースでは緑(L)/緑銅(LG)/赤(R)/赤銅(RG)/緑赤(SG)/銅(S)だった。
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  • リッツ線のはんだ付けは厳しい。リッツ線をほぐして中心にある芯材をカットしてリッツ線だけにし、良く切れるニッパーで断面を整える。その整えた断面に予備はんだをして接続する。

  • プリント基板化で配線をシンプルにできる。試したことないけど、フレキの感光基板(ポリイミドのやつ)って、はんだ付けできるのかな。できるなら薄くできる。大容量電池&昇圧回路でオリジナル運用ができそう。長時間化 or BW短絡もできる。

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