009 ぺるけ式フォノイコライザ

ぺるけ氏がwebで公開している「平衡出力MC/MMフォノ・イコライザ・アンプ」を完成させた。部品集めや、試作などに時間がかかり、完成まで半年ほど要した。
規模が大きいこともあり、電源部、初段部、2-3段部、NFBをそれぞれ個別に作り、動作確認しながら全体を組み上げた。問題はちまちまと起きたが、原因の特定は楽だった。むしろ制作期間が長かったこともあり、配線部分にストレスがかかったせいか、ユニット間の接続不良によるトラブルは頻発した。これが地味にめんどくさい。

OverVew01.jpg

◎氏の回路から変更したところは以下の数カ所。
・MCのことは考えないことにした。
・入力をバランス化した。
1st03.jpg
・12AX7の定電流を2sc5122×2で組んだ。耐圧にさえ気を付ければだいたいOK。にしても1.4mAなんて、バカなのってくらいに取れない。
1.4mA.jpg
・トランジスタ類は規格表を見ながら類似品を探した
 B電源のFETはTK6A65
 初段用電源は2SD2012
 ヒータ用電源は2SA1725
 *要求仕様に見合っていればOKなので、細かいことは良しとした。

◎回路図は本家を参照していただくとして、ここでは平ラグの使い方を絵解きで
・電源部:放熱器を使うことを前提に、Tr類は背を外側を向けて配置した。
power.jpg

・初段:Hot/Coldを上下に分けた2段構成。FETの熱結合が簡単にできる。図に書き忘れたが、初段用の電源(23V)は上段中央のGNDの両脇の680Ωにそれぞれ接続します。
1st.jpg

・2-3段のB電源:左右chを上下に積み重ねて2段にした。
2-3dan.jpg
1MΩを介してコレクタにつながっているトランジスタは顔が390Ωの側に向けて大の字になっている。もうひとつのトランジスタは横向きにして配置した。足を前後に大きくふると、足同士が接触することなく上手くいく。

・NFB:左右chを上下に積み重ねて2段にした。
NFB.jpg

・真空管
tube.jpg

◎内部の様子など
・手前が初段、奥がNFB。左側が2-3段のB電源。
1st01.jpg

・上の写真を反対側から見たもの。
1st02.jpg

・電源部を含めた全体。ケースはタカチのYM350(350×55×230)。
OverVew02.jpg
アンプ部の平ラグはすべて2階建てにしたので電源部との距離は確保できたが、トランスの高さがギリギリ。
トランスは、ヒータ電源をノグチトランスPM-161の14Vタップから、B電源は東栄変成器ZT-01ESの1次200Vを2次として取り出した。

◎備忘録として
・各部の電源は氏が紹介しているのとだいたい同じ値に落ち着いた。というか落ち着かせた。
・ヒータ用電源の電圧調整用抵抗は、指定の1.5Ωでは足りず2.2Ω(合成後の抵抗値)に増やした。
・ヒューズは0.5A品を使用。0.3Aでは突入電流に耐えられずに燃えた。
・利得は左右/HCとも差はほとんど無く147〜8倍(1kHz)。氏の記述を同じになった。
・排熱がすごいので、換気用の穴は気前よく開けた。
・ケース加工は今まで作ったどんなアンプよりも簡単だった。

2016年5月1日

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