Word: 2008年4月アーカイブ

専門用語はその生まれ育った過程を考えると、多くの人が望んで生まれたというよりは、誰かが何かを伝えるために生み出した「ある考え方」を広めるために生み出されたものだ。その前提を知らないままに、いろんな言葉を使うのは結構あやうい。例えば、ゲノム、染色体、DNA、遺伝子。この4つの言葉はある前提では同じ事を言っていて、別の前提では全く別のことを伝えている。
このことは、話者が何を伝えたいのかという願いと、聞き手がどんな聞き手であるのかという現実の狭間でコミュニケーションが生まれることを伝えているのだけど、話をする僕らが常に思わねばならないことは、かつては僕らも言葉的貧者であったという現実だ。
ちなみに、DNAとは、遺伝子を作っている物質の名前そのもので、ディオキシリボ核酸のこと。いわゆるDNA分析とはこのディオキシリボ核酸の並び方を調べ、その違いを明らかにすること。つまり、「DNA」という言葉は何となく「指紋」と同じ意味で使いがちだけど、そうではないのさ。「DNA」とは染色体を構成する物質群のこと。正確さを期すならば「DNAの並び方」という言葉が良いかも。
では染色体とは何かというと、これまた意味があるようで無い言葉で、実は、この染色体とはある染料でのみ染められる物質というのが本来的な意味です。それでとある物質に染まるのが人の遺伝子でそれがいわゆるX字をしたあれです。染色体は23対46本見られるということはみなさんご存じと思います。この4つの言葉の中では、遺伝子と染色体が非常に近しい所にいるのでした。
そして、ゲノム。ゲノムは遺伝子の種類のこと。ゲノムは24種類あります。そのうち、男の子は24種類の遺伝子を持っていて、女の子は23種類の遺伝子しか持っていないのです。ゲノムの意味は、この「種類」という意味に終始します。
そんな感じで。終わり方は適当で。

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